ユーキャンの憂鬱

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えっちげーむ紹介と感想。CGバレいやな人は回れ右で。

【僕が天使になった理由】感想&紹介 _恋愛至上主義へのアンチテーゼ物語

  • プレイ時間 18時間
  • ジャンル  シナリオ
  • エロ度   ★
  • 満足度   ★★★★

エッチシーン回数17回・バックログからのシーンジャンプなし

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〇概要

ある日、主人公の前に天使が降ってくる。天使の仕事は、失ってしまった人々の心の欠片をそれぞれに返却すること。天使の仕事ができなくなってしまった天使の代わりに、主人公が天使業を代行していく。そうやって、恋愛を嫌う主人公が、天使業代行を経て、その考え方を変えていく成長物語

一言でいえば、

主人公が天使になるお話(題名通り)

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〇よかった点

1)共通ルートの面白さ+共通ルートとトゥルーエンドへの繋がり方がうまい

 シナリオゲ―において、共通ルートが退屈で眠たくなる、そんな現象は多々遭遇する。しかし、本作では、共通ルートからすでに面白い共通ルートでは、主人公の天使業代行の様子が、6話に分けて描かれている。6話それぞれに、異なって恋のカタチが描かれていて、正直共通ルート部分だけでも、そこらへんのキャラゲ―個別ルートより面白いと感じた。さらに、それぞれ短い話でまとまっており、ダレることは恐らくなくテンポがいい。

 また、共通ルートの部分をトゥルーエンドに活かしきれている部分も素晴らしい。伏線とまではいかなくとも、意味のある共通ルートで、繋がりは十分にある。共通ルートなしに、トゥルーエンドは語れない。

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2)すべてがうまくいくエンドなんてありえないというメッセ―ジ

 本作では、一切ハッピーエンドはない。バッドエンドもない。あるのは、ビターエンドのみ。どの恋に関しても必ず何かを犠牲にしたり、あきらめたりしている。何かを手に入れるためには、何かを犠牲にしなければならない。すべてがうまくことなんてことはありえない。そんな世の中の基本原則をとことん表現したことが本作の大きな特徴といえる。

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3)恋はそんなに素敵なものじゃないよ

 エロゲだろうとアニメだろうと、基本的に恋愛というものは素敵なものだと描かれている。少年漫画や少女漫画では特にそうだろう。でも、誰かが誰かを好きになることは、理屈ではないし、好きになりたくてなれるわけじゃない。好きという気持ちから、逃れることはできない

 他人の目、社会常識、他の人の気持ち、相手の気持ち、そういった様々なものが障害となって、人は相手のことを好きだという気持ちに苦しめられる。恋は非常に苦しいものなのだ。本作の登場人物たちは、みな恋に苦しむ。それでも、苦しんだ末に、自分で判断し自分の行動を選択していく、そんな人間としての強さが描かれていて、心打たれる

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4)心の欠片を返すか、返さないか。どっちを選択しても苦しむ人はいる苦悩

 天使業とは、欠けてしまった心の欠片をその人に返してあげること。主人公はその代行をする。しかし、心の欠片を返せばそのひとが無条件で幸せになれるわけではないのが難しいところなのだ。心の欠片を返しても、また同じように傷つくだけかもしれない。かといって、返さなかったら、その人の恋はあきらめなければならない。このどっちを選択してもすべてがうまくいくわけではない二律背反状態がよい。

相手の気持ちに寄り添って、この苦渋の選択を繰り返していくことで、主人公が変わっていくことが大変納得できる。

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「他人のためになにをするべきか・・・そんなもの迷って当たり前だ。正解などそうそうわかるわけがない」

中略

「なにをするかではない。どういう気持ちでするのか・・・案外それが正解にも不正解にもなるのかもしれん」

「要は、どれだけ相手のことを思ってしたことか、それが重要だってこともあるかもな」

 

_研造

 

5)心に響く言葉たくさん

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自分を罰するためだけに生きてるなんて、周りの人間には迷惑なだけなんだよ。だったらせめて1人くらい幸せにしてみせろ」

 

_清人

 

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「恋というのは、自分以外の存在を自分のものにしたいという究極のエゴ。純粋な恋などありはしない」

 

_ライオス

 

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「こんなたくさんの人間がいる中で、誰かが自分のことを想ってくれるっていうのは、それは奇跡みたいなものだ」

 

_小次郎

素敵な言葉をありがとう。

 

6)心の欠片を返す弓のシーンがかっこいい

厨二くさいけど。弓っていいよなぁ。

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〇よくなかった点

1)アイネ(天使)ルート以外はいらない

 一応天使ルートがトゥルーエンド扱いだが、その他3人のヒロインの個別ルートが存在する。しかし、あまりしっくりこない。天使と幼馴染以外のヒロインだと、主人公が恋をするのに納得がいかないのだ

また、幼馴染ルートにおいては、天使ルートの一部ネタバレに相当する箇所が多く、トゥルーエンドの衝撃さが薄れてしまっている。

共通ルート+天使ルートの一本道で本作をつくれば、かなりよくまとまっているように見えるし、より面白いと感じられるだろう。飽きることも無くなる。

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2)EDごとにボーカルソングつくらなくてもよかったんじゃないかな

 このメーカーのこだわりなのかもしれないが、無駄な出費だと思う。肝心の天使の演奏の迫力がいまいちだったことも悲しい。力を入れる箇所を間違えている。その経費を他の所に回すか、価格を安くすればよかったんじゃないかな。

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3)ずっと身近な話題の話だったなのに、いきなり地球規模の壮大な話になって笑った

 自分は別にいいと思うけど。ちょっといきなりスケール大きくなったなぁと戸惑うかも。

 

4)主人公がかなり癖ありで、気に入らないかもしれない

 過去が原因で、かなり自虐的な言動をする主人公にイラつく可能性あり。主人公とプレイヤーの相性って意外と重要なのよね

 

 

 

〇総評

シナリオゲーの内容に関してはかなり満足だった。作品内で、テーマが一貫していて、メッセ―ジ性の強い力作。ビターエンドだから、人によって感じることが様々ないわゆる「賛否両論」かもしれないが、恋について真剣に描いてくれる作品は貴重だと思う。シナリオゲ―に興味がある人ならおすすめできる深い作品だった。

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