ユーキャンの憂鬱

ユーキャンの憂鬱

「この作品に興味あるんだけど、実際どんな感じなの?」人向けのエロゲ紹介記事と思考まとめ

【ギャングスタ・リパブリカ(WHITESOFT)】 ~お互いの信条をぶつけ合い、少数派が生き残れる理想のコミュニティを追求する~

  • プレイ時間 27時間
  • ジャンル  シナリオゲ―
  • エロ度   ★
  • 満足度   ★★★★
  • おすすめ  ★★★

 

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〇概要

 体験版やってもらうことが、このゲームの雰囲気を掴む、一番わかりやすい方法だと思います。

dlsoft.dmm.co.jp

大雑把に言えば、高校生のくせに、登校中に虫を追いかけてフラフラとどこかへ行ってしまったり、水切りやダックレース・ミニ四駆に夢中になってる、そんな小学生みたいな思考を持った主人公が、悪の組織「ギャングスタ・リパブリカ(悪党どもの共和国)」をつくって、悪で世界を変えていこうとする、そんな話です。

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すみません、何を言ってるか意味不明ですよね…でもほんとにそういう話なんです。

ただ、勘違いしないでいただきたいことは、殺しや盗みをやり、正義と戦うとか、そういう話ではないことです。

あくまでこの物語の中では、悪は、犯罪や人に迷惑をかけることを指しません。

人がそうしたいと思うのとは違うやり方で、人がそうなりたいと思うことを実現すること

 

_時守叶

普通とは違うこと。普通とは、世の中の多数派・常識のこと。多数派が善なら、つまり、悪は少数派のこと。

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人は年を重ねるごとに、様々な社会経験を蓄積し、大人になっていきます。しかし、大人になるということは、同時に、子供のときに当たり前のように持っていた「ガラクタ」を捨てることを意味します。「ガラクタ」とは、この物語のなかで頻繁に用いられ、「信条」と同じことだと私は捉えます(正解かどうかは知りません)。

そんな「ガラクタ」を捨てきれない人物たちが、この物語で登場します。高校生ともなれば、集団生活に慣れ、社会に飼いならされ、一般的なら、無意識的に常識や暗黙の了解が心と身体にしみついているでしょう。

しかし、主人公たちは、そうはなってはいない。したがって、周りから浮くわけです。多くの人なら、周りから浮かないように、みんなに、社会の多数派に、常識に、合わせようとします。だって、一人では生きていけない世の中だから。

主人公たちだって例外ではありません。当然、一人では生きていけない。だから、「ギャングスタ・リパブリカ=悪党どもの共和国」をつくって、「ガラクタ」を持ったまま生き残ろうとします。

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ここで重要なことは、「共和国」ということです。

 共和国とは、君主が存在しない国家である

 

_Wikipedia

 君主とは統率者であり、集団をまとめるもの。集団の思想理念の代表が君主です。つまり、その君主なき集団である「ギャングスタ・リパブリカ」は、統率のある集団でもなければ、明確な上下関係のある集団でもなく、思想理念の統一がとれてるわけでもないということ。

だからこそ、彼女らは、この物語の2部において、お互いに自分の信条をもって対立し議論することが可能なのです。

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他人とわかり合うことは、決して他人の意見を無条件で受け入れることではありません。自分たちの意見をぶつけ合わない先に、真の理解などありえません。

ギャングスタリパブリカの彼女たちは、自分たちの「ガラクタ=信条」を捨てきれないからこそ、「リパブリカ=共和国」をつくっています。自分の意見を曲げること=信条を捨てることを簡単にするわけがありません。

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彼女らは対立し、議論する。そして、理想のコミュニティを追求していく。

 

 

 

〇登場人物

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時守叶

主人公。思考は小学生。悪を執行するもの。

 

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凛堂禊

ヒロインその1。救世主志望。ギャング部の帝王。

 

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水柿こおり

ヒロインその2。幼馴染。主人公のとなりの家に住んでる。

 

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時守希

ヒロインその3。主人公の実妹兼主人公の担任の先生兼ギャング部顧問。触手オタク。

 

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古雅ゆとり

ヒロインその4。ギャング部部長。お金持ちのお嬢様天然巨乳。ギャング部創設者。無知の王。

 

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シャールカ・グロスマノヴァ

ヒロインその5、ではない。攻略不可(したいひとはFDをやろう)。ソファ。

 

 

 

〇よかった点

1)シナリオが突き刺さる

 感動や泣けるといった類ではないです。しかし、この物語を通して伝えたいことはハッキリしてるし、そこに納得や共感を覚えられれば、ハマるでしょう。個人的に、ラストよりも、中盤の、ヒロイン同士が対立し議論するシーンが好きです。名言も多いです。

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2)読みやすい(理解しやすいわけではない)

 長い文章は少なく、サクサク読めます(所々誤字がありますが)。多くのエロゲは、画面の下に文章が表示されるため、視線が下になりがちで、画面全体を見づらいです。しかし、この作品では、立ち絵の近くに文章を表示してるため、画面全体を見やすいです。このシステムはぜひ他のエロゲメーカーさんも導入してほしいかなぁと。

ただ、読みやすいからといって、サクサクいってしまうと、話に置いて行かれます。

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3)日常会話の魅力

 私にはとても魅力的に感じました。シナリオゲーって、終盤の面白さはしっかりしてる作品多いけど、反対に、日常会話に魅力を感じない作品も多く感じます。この作品の場合、終盤<中盤・序盤くらい。個人差あります。

 

4)主人公を通して、童心に帰れる

 虫を夢中で追いかけるとか、工作とか、懐かしいなぁと感慨深くなります。どうして今はできなくなってしまったんだろう…というかまたやりたい。

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〇よくなかった点

1)選択肢が多い

 攻略が面倒です。まぁ攻略サイト見てやりましたけど…

 

2)エロゲらしくない

 らしくない、というよりは王道ではない。つまり、あまり類を見ないタイプということです。これはよかって点にも属します。キャラゲーの定番でもシナリオゲーの定番にも沿ってません。これをおもしろいと感じるかつまらないと感じるかは読み手次第。

(あと、エロシーンにおいて前戯がないというのはどうだろうか…)

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3)抽象的な言葉が頻出

 特に禊です。抽象的な言葉が多いと、どうしても難しく感じてしまう、それが人間です。「こいつ何言ってるの?」状態になりかねません。

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4)ループ設定がいまいち納得できない

 一応ループものです(ネタバレ)。でも、このループ設定いるかなぁと感じてしまいました…

 

 

 

〇総評

 エンターテイメント性が低く、万人向けではありません。しかし、他のエロゲにはない魅力を持っているユニークな作品です。感動泣きはしたくないけど、読み手側に訴えかけてくるシナリオゲーがやりたい人、童心に帰りたい人はおすすめです。逆にそれ以外の人はやっても???になります。私もそんなもんです。深い作品です。読み手側の力量が測られます。

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追記1

他人の考察記事を読んで、かなり納得いきました(特にループ設定)。すげぇ作品なんだって再認識。

eroge-pc.hatenablog.jp